自分が好きなことを仕事にすることは理想的な状態だと考えられることがあります。通勤時間を含め、仕事には1日の多くの時間を費やすので、せっかくなら好きな分野で働きたいと考える人は多いかもしれません。しかし、ここで注意点があります。

初めて就職する学生の場合、好きなことと具体的な仕事内容がうまく結びついていないケースがあります。特定の分野について、客の立場から見た状況しか知らず、実務に対する理解が足りていない場合があるのです。漠然としたイメージで就職してミスマッチを生じさせないためにも、就職活動では業界研究を行いましょう。できる限り実務経験者の話を聞くことが大切です。勤務の実態を知って、自分に合わないと思ったらほかの道を探せばよいのです。うまく好きなことを仕事にできて、仕事内容にも大きな不満がない場合は幸運といえます。そのままキャリアを積めたら最高ですが、ここにも注意点があります。

仕事は好きでも労働環境や報酬に問題がある場合があるのです。「好きなことを仕事にしているなら、給料が安くても我慢するべきだ」という考え方がありますが、普通の生活を送れないほど給料が安かったり、心身に問題が生じたりしては働く意味がありません。もしも職場に問題がありそうなら、たとえ好きな仕事をしていても転職を検討しましょう。好きな仕事ができる職場は1社ではないと覚えておいてください。仮に好きなことを仕事にできないとしても、副業として取り組む方法があります。